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知恩院でオルゴール奉納演奏へ ニデックインスツルメンツ

2025年7月9日

 日本最大のオルゴールメーカー、ニデックインスツルメンツ(本社・下諏訪町)は、15日(火)に浄土宗総本山・知恩院(京都市)で開かれる「盂蘭盆会(うらぼんえ)併修、第二次世界大戦終戦八十年追悼・平和誓願法要」に合わせ、新作オルゴール「オルフェウスKAIROS(カイロス)」による奉納演奏を行う。終戦翌年の1946年、三協精機製作所として創業した歴史を踏まえ、オルゴールの穏やかな音色で平和を祈る。
 同社は日本スケート連盟会長、インスブルック冬季五輪日本選手団長、日本経営者団体連盟(現・経団連)理事などを務めた故山田正彦さん(享年77)らが、戦後の混乱の中、「平和産業を指向し、諏訪を東洋のスイスにしよう」とのスローガンの下、社員9人の個人企業として創業。来年で80周年の節目を迎える。
 2024年、京都市内に同社として西日本初のオルゴール体験型ショールームを開設したのを切っかけに、京都の文化と深く結びついた日本らしいオルゴール作りを模索。高級スポーツカー・フェラーリや新幹線などを手がけた世界的工業デザイナー、奥山清行さん率いるデザイン会社との協働で、広範囲の音域をカバーするくし歯を2枚搭載した最上級モデル「カイロス」を開発し、終戦80年、創業80年の節目に「カイロスの音色を通じて、静かに平和を願うひとときを多くの人と共有したい」(同社)と知恩院に相談して奉納演奏が実現した。
 当日は漆造形作家・栗本夏樹さんとのコラボレーションによる、京漆パネルを装着した特別仕様のカイロスで、午前10時から午後3時までの毎正時と30分に15〜20分間、「千の風になって」「ふるさと」「埴生の宿」「いのちの名前」などを演奏予定。会場は重要文化財の知恩院集会堂。入場無料。予約不要。自由に参拝、鑑賞できる。
 同社では「戦後、その音色が戦争で傷ついた人々の心に少しでも潤いと安らぎを届けられるよう願いながら、諏訪でオルゴール製造が始まった。終戦から80年という節目に当たり、オルゴールの音色とともに平和を願い、平和に思いをはせるひとときになれば幸い」としている。