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思い出いっぱいの緞帳に感謝 文化センターで特別公開
2025年6月23日
諏訪市教育委員会は22日、改修を控える市文化センターホールの緞帳(どんちょう)を特別公開した。諏訪清陵高校書道部による書道パフォーマンスもあり、緞帳としては最後の姿を目に焼き付けようと、ホールに思いを寄せる市民らが訪れた。
日本画の巨匠である東山魁夷と杉山寧が原画を手がけた緞帳で、幅27メートル、高さ7・8メートルの大きさ。近代数寄屋建築の創始者とされる建築家・吉田五十八が設計した間口の広いステージに合わせた形状で、舞台両袖までを覆う三方掛けの緞帳は全国的に珍しいという。
市教委は、設置から60年以上が経過して劣化が著しいとして、改修後はオペラカーテンに置き換える予定。特別公開では、ホールが完成した1962年当時の写真や資料を展示し、市文化財係職員による解説で歴史的な価値を伝えた。
清陵書道部1、2年生計10人は、縦3メートル、横5メートルの紙に緞帳への思いを記した。音楽に合わせ、緞帳のタイトルである「清暁(せいぎょう)」「昇る陽」と書き「ありがとう そして未来へ」と筆を進めた。
市文化センターは7月から利用を停止し、改修工事に向けた準備作業に入る。緞帳は現状を記録した上で取り外し、図柄の象徴的な部分をタペストリーに仕立て直す。2027年度のリニューアルオープン後は、館内で展示するという。
(写真は、緞帳への感謝を書道パフォーマンスで表現した清陵高書道部員ら)