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「岡谷シルク」世界へ 認証製品パリの見本市で売り込み 上林ニット来月3日から
2025年6月21日
ニット製造の上林ニット(岡谷市川岸東)が7月3日(木)〜6日(日)、フランス・パリで開かれる見本市「Japan Expo(ジャパンエキスポ)」に参加し、岡谷シルクブランド認証製品など、自社のシルク製品5点を展示販売する。市によると、認証製品が海外で売り込まれるのは初で、「岡谷シルク」が世界に発信される機会になればと期待する。
上林義知社長によると昨年9月、エキスポに出展するニット製品の企画・販売「アトリエサロンはなだ」(東京都)から、日本伝統のシルクを使った服飾製品の出品を打診された。昨年に認証を受けたストールに加え、ボレロやクルーネックプルオーバーなど4点を新たに制作。いずれも宮坂製糸所(郷田)が取った糸を使い、染色は本多染織工業(赤羽)が担った。
エキスポでの販売価格は、1点当たり300〜450ユーロ(約5万〜7万5000円)。美濃和紙糸などを使った6点を含め、計11点を出品する。上林社長の妻で、会場を訪れる美奈子さんは「岡谷シルクをしっかり売り込みたい」とする。
同室によると、同社は縫い合わせることなく、1着をまるごと立体的に編み上げる「ホールガーメント」技術による製品づくりで世界有数の経験を持つという。上林社長は「岡谷の遺伝子として受け継がれてきたシルクと、自社の技術を組み合わせた自社ブランドの開発を続け、世界にアピールしていければ」と話す。
20日の市議会6月定例会一般質問で、岡谷シルクブランドの海外展開を聞いた酒井和彦議員に、木下稔産業振興部長はエキスポへの出展に触れて「岡谷シルク、岡谷蚕糸博物館のPRにつなげたい」とした。会場には、岡谷シルクや同館を紹介する冊子も会場に置く予定という。
認証制度は、岡谷ならではのシルク関連製品やサービスが対象。これまで89件が登録されている。
(写真は、ジャパンエキスポに出品するシルク製品と現地に赴く上林ニットの美奈子さん)