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古文書の花押電子化へ 市博物館友の会と協力者17人が調査
2025年6月18日
諏訪市博物館友の会は協力者を市民から募り、同館収蔵の古文書に記される花押や印章の調査を進めている。おおむね1年間を期間として、前半は写真資料で作業に慣れた後、後半は実際の古文書に触れながらデータベース化を目指す。
昨年度、同館が企画した「『諏訪史』第1巻刊行100周年記念特別展」の際、市民協力者を募り、同館所蔵資料確認作業を行ったのが切っかけになった。参加した友の会副会長、石井裕一さん(68)=諏訪市小和田=は確認作業を進める中で古文書の花押や印鑑が多々目に付いたことから「諏訪版の花押、印鑑のデータベース化ができないか」と同館に相談。4月に協力者を募集した。
17人が協力者に登録した。週3日間を作業の日に決め、それぞれが都合の良い時間に解読作業を進める。協力者の一人、諏訪市茶臼山の一ノ瀬文夫さん(72)は「花押に興味を持っていたので参加した。少しでも崩し字などが読めるようになりたい」と、長野県史、諏訪資料叢書などを脇に置き、黙々と読み進めた。
前半で扱う写真資料は、下諏訪町の郷土史家の故今井広亀が収集した高島藩の藩政関係のものが中心。各文書の内容を把握しながら、いつ、誰が、何を記したかをまとめ、人物、地域などの項目に分けて文書の名称や花押、印鑑の一覧を作っていく。
石井さんは「電子化だけでなく、冊子にもしたい。その後は花押の成り立ちなどを学んだり、自分の花押を作るなどの講座へも展開できれば」と夢を膨らませる。
(写真は、熱心に作業を進める会員たち)