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伝承の裾野広がって 箕輪町で古田人形操り体験会

2025年6月17日


 箕輪町郷土博物館は15日、「古田人形操り体験会」を同館で開いた。午前中の部には約10人が参加。芝居を継承する「古田人形芝居保存会」会員に教わりながら人形を操り、伝統芸能の奥深い表現の世界に触れた。
 上古田に江戸時代から伝わり、県選択無形民俗文化財に指定されている古田人形芝居を身近に感じてもらい、伝承の裾野を広げようと初めて企画した。館内の図書・講座室で人形の仕組みや扱い方を紹介した動画を鑑賞した後、「傾城阿波の鳴門」に登場する人形の操作を体験した。
 同保存会の上野秋光会長(57)=下古田=が、人形は頭と右手、左手、足のそれぞれを担当する3人が息を合わせて操ることで自然な表現になることなどを説明。会員が、人形の左右の手や頭を滑らかに連動させた動きを見せると、参加者からは感嘆の声が上がっていた。
 参加者は男性、女性、少女の3体の人形それぞれに分かれて体験。左手を動かす「差し金」の使い方に苦戦する場面もあったが、人形を上手に操れるとうれしそうな表情を見せ、会員の補助を受けながら歩く動きなどにも挑戦していた。
 柴秀毅館長は「これを切っかけに少しでも(古田人形芝居の)裾野が広がっていけば。今後もこうした機会を設けていきたい」と話し、上野会長も「楽しんでくれている様子が伝わってきて、教える側としても熱が入った。興味を持ってくれる子が増えてたらうれしい」と願った。
 箕輪中学校1年で古田人形部に所属する生徒は「(人形を操る)3人で合わせて自然な動きにするのが難しかったけれど、面白かった。みんなに伝わるような演技ができるようになりたい」と笑顔だった。
(写真は、操り体験をする参加者)