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下諏訪町移住や開業の希望者サポート 1級建築士知見生かし元地域おこし協力隊濱野さん夫妻が立町に複合施設
2025年5月15日
下諏訪町の地域おこし協力隊を4月末で退任した濱野みのりさん(34)=大門=が、夫の三嶋隆太郎さん(34)=同=と移住体験用宿泊施設や、開業希望者向けシェアキッチンなどを備えた複合施設を立町に開業する。夫婦で代表を務める「ミトハ一級建築士事務所」の拠点も構え、空き家活用などの相談にも応じる予定。町の移住定住促進事業に携わった経験と専門性を生かし、「パワーアップしたサポートをしたい」と意気込んでいる。
濱野さんは東京都内から移住して2022年5月から協力隊を務めた。過去の協力隊から引き継がれる移住希望者の相談対応に加え、建築士の知見を生かして空き家の流通促進に向けた新たな取り組みを複数手がけた。建築士事務所は同年10月、町内で立ち上げた。
協力隊の任期中、移住関連イベントで町の暮らしをPRした際、町内にない移住体験施設の有無を度々問われた。移住に興味を持ってもなじめるか不安に思う人がいるとし、中長期で滞在しながら移住を決めるステップを提供しようと宿泊施設の開業を決意。町内で飲食店開業を希望する人も多いが、初期投資が多い上に空き店舗が少なく、シェアキッチンもそろえて支援することにした。
「MitoHaTO(ミトハト)」と名付けた施設は、町営四ツ角駐車場近くの木造一部鉄骨、3階建ての空き家を活用する。2階に建築士事務所とシェアキッチン、3階に台所や洗濯機も備えた最大4人が生活できる宿泊スペースを確保。1階では、大家の男性が飲食をしながら勉強やパソコン作業などができる図書室を開くという。
入浴は公衆浴場を使ってもらい、現役の協力隊と連携して町を案内することも想定。シェアキッチンでは間借り営業ができるほか、料理教室やワークショップ、会議などへのスペース貸し出しも考えている。
今月末から6月初旬までに開業する予定。濱野さんは「下諏訪にない移住、開業のサポートをして移住する人が増えたり生活が楽しめる町になったりしたらうれしい」、三嶋さんは「いろいろな人が出入りして出会いの場になってほしい」と話している。(写真は、改修中の建物で打ち合わせる濱野さん)