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窓ガラスに自由にアート 岡谷美術考古館が参加型で

2025年5月12日


 岡谷美術考古館が、通りに面した窓ガラスで始めた参加型アートが人気だ。5月5日の「こどもの日」にちなんで登場したこいのぼりの絵を手形で彩ったり、自由に絵や模様を描き込んだりできる趣向。大型連休中の3日にスタートし、これまでに50人以上が参加する「かつてないほどの反響」(酒井重明館長)。今後も季節や行事に関連する絵を窓にあしらって、常に体験できるようにする。
 使用する窓ガラスは3枚。いずれも縦約250センチで、幅は1枚が約220センチ、2枚が約160センチで、それぞれ200号、300号のキャンバスに近いという。水性クレヨンを使って、こいのぼりは手形でうろこが表現され、動物や列車、家、花などのイラストが自由に描き込まれている。
 当初は連休中のみの企画とする予定だったが、絵を描いたり、写真を撮ったりする人が多かったため、継続を決めた。近くのJR岡谷駅を利用する高校生やお年寄りも参加しているといい、酒井館長は「場所があれば描きたいと思う人がいると分かった」と喜ぶ。
 考案した酒井館長は昨年4月の着任当初は「ここが美術考古館と認知されていない」と感じていたという。元美術教員の経験を生かし、開館中に随時受け付けるワークショップを始めるなど、さまざまな企画を展開して発信。窓ガラスには、収蔵する土器や商店街のマスコットキャラクターを描いてきた。
 「ここが絵を描いたり、物を作ったりする場所だと認識してもらえてきている」と酒井館長。「館を知り、興味を持つ人も確実に増えている」と手応えを語る。
 参加無料で、随時受け付ける。現在の絵は16日(金)まで。今後も酒井館長や同館職員が基となる絵を描き、次は「梅雨」をテーマにする予定。
(写真は、こいのぼりの絵を参加者が思い思いにあしらっている窓ガラスと酒井館長)