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市文化財に指定 新倉十五社の「面」一式 「有形民俗」は初
2025年4月8日
岡谷市教育委員会は7日、新倉十五社(川岸中)に残る「面」一式(面11面、獅子頭1頭、新倉区所蔵)を初の市有形民俗文化財に指定した。審議した市文化財保護審議会の答申によると、面は江戸時代に作られた可能性があり、貴重と判断。獅子頭については「諏訪地域の神楽の歴史を解明する重要な鍵になることも考えられる」ことを理由とした。
面一式は、1951年に文部省文化財保護委員会美術工芸品課の鑑定を受け、2019年には飯田市美術館の専門研究員が調査。同審議会は二つの報告書を審議し、指定を市に答申した。面は、現存するのは数少なく貴重と判断。獅子頭は、大神楽の獅子舞に使われたものと同種で、鼻が長く突き出ている古風な作りから江戸時代中期の作品とした。
20年4月に、同区文化財保存委員会から面一式の市文化財指定に向けた調査の要望があり、翌月に市文化財保護審議会が調査を開始。23年5月には、市教委が市文化財指定を同審議会に諮問した。ことし3月に答申があり、7日の市教委定例会で承認。指定は11年5月以来、約14年ぶり。件数は120件になった。
諮問当時の同区文化財保存委員長で、現顧問(83)は「調査いただいてから長かったが、やっとここまでこられた。文化財となれば価値が認められたということになる。なお一層、力を入れて大事に見守っていきたい」と喜び、「指定を機に公開するなど、市民や興味のある方に存在を知ってもらう機会もつくれれば」と話していた。
(写真は、文化財指定された新倉十五社の面=新倉区文化財保存委員会提供)