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小型ロケットプロジェクト エンジン燃焼実験成功 6号機打ち上げへ弾み

2021年12月19日

ロケット
 岡谷、諏訪、茅野、下諏訪、原の5市町村が信州大学に事業委託して行う「SUWA小型ロケットプロジェクト」は18日、諏訪湖での打ち上げを目指す6号機のエンジン燃焼実験を下諏訪町の旧第八保育園で行った。新型コロナウイルスの影響で、昨年度の打ち上げは断念。実験は成功し、昨年3月以来の打ち上げへ弾みをつけた。
 プロジェクトは、諏訪5市町村が共同で行う「モノづくり集積地SUWAのヒトづくりプロジェクト」の一環。これまでに秋田県能代市で4機を打ち上げ、最高高度は3500メートルに達した。直近の5号機実験は初めて、地元の諏訪湖で行った。
 エンジンはアルミニウム合金の円筒で、これまで同様に固体燃料は樹脂の「ポリプロピレン」、酸化剤は亜酸化窒素を使うハイブリット型。今後、エンジン以外の技術を検証していくことを見据え、より安全で安定したものを目指して改良を重ねた。
 本年度のメンバーは、諏訪地域などの14社の社員22人。6号機の打ち上げ時期は未定だが、最高到達高度は約400メートルを想定。機体は長さ約2メートル、直径約10センチを予定し、風洞実験を行ってより空気抵抗の小さい形状を目指して開発を進めているという。
 燃焼実験には、ロケットに搭載予定のエンジンを使用。旧園舎からメンバーが遠隔操作すると、ごう音を上げながら2、3秒間炎を吹き出した。例年はリズム室にモニターを設けて実験を希望者に公開してきたが、今回は感染症に配慮して動画共有サイト「ユーチューブ」でライブ配信した。
 実験終了後、プロジェクトマネジャーで信大工学部の中山昇准教授は「昨年度は(新型コロナの影響で)燃焼実験もほとんどできなかった。メンバーが熱い気持ちを保ってくれたおかげでここまで来られた」と語った。(写真は実験終了後、エンジンなどについて説明する中山准教授)