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御柱祭ガイドライン発表 感染警戒レベルに応じ参加制限 見物は観覧席除き、諏訪地域住民のみ

2021年11月17日

 2022(令和4)年の諏訪大社御柱祭へ、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた実施判断のガイドラインが決まった。県が独自に6段階で設ける感染警戒レベルにかかわらず、観覧席を除いて見物は諏訪圏域の住民以外は控えるよう要請。参加する氏子もワクチン接種やマスク着用を原則とし、レベルに応じた人数制限、車両で御柱を運搬するなど統一の指針に従って安全を確保しつつ、古来、続く祭りの伝統を守る。
 県やほかの祭りのガイドライン、氏子の意見も参考に大総代でつくる上社御柱祭安全対策実行委員会と、御柱祭下社三地区連絡会議が策定し、16日にそれぞれ発表した。
 参加する氏子に求める感染症対策は、7項目。地区ごと参加者名簿を作り、参加者が観覧者などと接触しないよう規制線を設けて距離を確保する。上社、下社ごと大総代や医師らでつくる感染症対策チームを組織し、医師の助言に基づき行事前の感染症対策の確認、行事実施中の注意喚起を行う予定。県の感染警戒レベルが「4」以上の場合、木落し、川越しは行わず、車両などで御柱を運搬する。
 新型コロナの「第5波」までの経過や、ワクチン接種が進んでいることなどを踏まえ、今後の状況は刻々と変化するとしてガイドラインは「随時更新できる」と明記した。

■上社
 上社は、子どものワクチン接種が進んでいないことや練習時の感染リスクなどを踏まえ、子ども木やり隊の参加を禁止。山出し、里曳きで木やり、ラッパは共に距離を取り、感染警戒レベル「4」以上では行わない方針。
 御柱の曳行分担を決める「抽籤(ちゅうせん)式」(来年2月15日)は従来、数千人が本宮に集まるが、レベルに関係なく抽籤総代や大総代ら少数の関係者のみで行い、入場人員は各柱10人以内とする。1月2日(日)〜2月14日(月)の抽籤祈願も人数を制限しいずれも木やりは禁止。準備段階の綱打ちや木作りも作業者を限定する。
 ガイドラインを基に、曳行の可否も含め年内に具体的な実施方法を決める。いずれの行事も最終的な判断は1週間〜10日前に行う。

■下社
 下社は山出し、里曳きを通じて木やり衆にマウスシールドを着けて距離を取って鳴いてもらい、感染警戒レベルが「4」以上の場合は「神事の木やり」のみとする(建御柱は「3」以上で同様の対応)。
 山出し開幕に先駆け行う木作りは、人数を最小限に。マスク着用などの感染対策を徹底し、レベル「4」以上の場合は氏子の参加は不可とし、作業者をより限定する。
 建御柱の対応はおおむね上社と同様だが、「2」以下だった場合を想定して規制線内は「御柱曳行全係と許可された氏子のみ参加」、規制線外は「3」以上と同様に「氏子は距離を取って観覧」とした。

■下社曳行日程変更
 御柱祭下社三地区連絡会議は同日、昨年11月に策定した「下社大綱」を発表。前回2016(平成28)年の反省を踏まえ、安全はもとより「時間厳守」を最大のテーマに里曳き初日に行っていた春宮一の建御柱を、2日目にずらすなどの曳行日程の変更も示した。
 春宮一の建御柱のために人が集まることが、その後に春宮境内を通る春宮二や秋宮一〜四の曳行に遅れを生じさせる一因になっていたという。このほか大綱には、木落し坂でのセレモニー時間の制限なども盛り込んだ。