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飾りで公民館「封鎖」 田畑で「盆正月」

2021年8月18日

HP0817盆正月見学
 南箕輪村田畑地区に伝わる盆行事「盆正月」—。農業が中心だった時代、盆行事で働いた若者たちが村長(むらおさ)が家から出られないよう封鎖し休みの延長を訴えた行事で、ことしも16日夜に同区公民館を正月飾りで飾り付けて、17日早朝に同区の区長が区役員に「仕事は中止」と連絡した。
 伝統の行事は、若者の集まり「田畑青年部」などが若者に許される「楽しい行事」として受け継がれ、現在もPTA役員や有志で組織する「田畑伝統を守る会」が主体的に続けている。本来は区3役と区公民館長の自宅と公民館を飾ってきたが、コロナ禍で昨年に続きことしも公民館のみの実施になった。
 しめ飾りと門松、鏡餅、長持の「おかめ」など正月飾りに夏野菜のお供え、傘や雪かき、ストーブなどで玄関が完全に封鎖された公民館を前に、加藤区長は「施設に入れず、どうしようと思った」と苦笑い。3役で飾りを撤去しながら「地域の伝統を続けていってもらいたいが、区長として体験すると困ったものだと感じる」と話していた。
 公民館前は地区の盆明けならではの光景を見学に訪れる人もあり、親子で足を運び「すごいね。野菜がいっぱいだ」などと飾り付けに近づく姿もあった。
(写真は、地域の伝統を見学に訪れた親子)