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天上から平穏無事祈る 赤岳山神社で例祭

2021年6月9日

HP赤岳例祭IMG_6225

八ケ岳に夏山シーズンが到来した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、登山者の安全を考慮し2年連続で山頂での式典は中止となったものの、新緑に包まれた山容は変わらず登山者を迎えている。8日は泉野上槻木区氏子でつくる赤岳山神社総代会7人が登って頂上で2年ぶりに例祭を執り行い、地域の安寧とコロナ早期終息など願った。
夏山シーズンの開幕を告げる開山祭は、1955年から毎年6月第1日曜日に赤岳と北横岳山頂で実施されてきたが、県内外から多くの登山者が狭い山頂に密集するため昨年から中止。今季も安全祈願と遭難事故者追悼のみ、6日に泉野コミュニティセンターで関係者10人ほどで営んだ。
赤岳山神社総代会は例年開山祭に協賛の立場で参加し、例祭を合わせて行っている。例祭のみ山頂で行おうと、落雷で破損した神社修復と合わせて計画した。
山頂ではサカキなど奉納。この日は快晴で、諏訪盆地をはじめ、南、北アルプス、富士山などがきれいに見渡せた。登山道にはほぼ残雪もなく、野鳥のさえずりにぎやかに、ツクモグサなどの高山植物も登山道脇に見られた。登山者も多く、神奈川県から初めて赤岳に登った男性 (35) は「素晴らしい景色」と感激。月1回、体調管理やマスクを付けるなど体調管理をして登るようにしているといい「早く収まって自由に登れるようになってほしい」と話していた。
総代の佐藤利則区長 (65) は「昨年はできなかったので2年ぶり。山頂でやることに意義がある。来年は御柱祭もあるので、早くコロナが落ちついて、従来通りの山開きができれば」と願っていた。
山小屋などによると、昨年は感染症の影響を受け登山者は激減。秋にかけて登山者も戻りかけていたが、緊急事態宣言の影響で再び減少傾向にあった。山小屋も感染症対策を万全にして営業を再開。昨年から単独日帰り、車1人1台、1人1テント泊など「新しい登山様式」や県の「登山者への五つのお願い」が広まりつつあるといい、今後ワクチン接種を済ませた人が訪れると見込んでいる。
(写真は山頂での例祭。地域の安寧、コロナ終息など祈願した)