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街中に湯煙上がる~精進湯跡「お手湯」が完成~

2020年12月15日

精進湯跡お手湯
諏訪市がJR上諏訪駅近くにあった市営温泉施設「精進湯」の跡地(諏訪1)に整備していた「お手湯」が完成し、14日に除幕式が行われた。関係者ら約20人が出席し、温泉街の歴史と風情を感じさせる新スポットの誕生を祝った。
精進湯は江戸時代から続いたとされる名湯で、近くの手長神社に参拝する際、庶民が身を清めるために利用したという。市が1978年に地元住民らでつくる組合から営業を引き継いだが、利用者の減少や老朽化で2017年3月に閉鎖した。
市は跡地の104平方㍍を公園にし、いつでも温泉で手を温められるお手湯(縦4.5㍍、横最大1.4㍍、高さ最高約65㌢)を整備。主に御影石製で、自然石のちょうず鉢から四十二、三度の湯が流れ出る。周辺は石畳風に舗装し、精進湯の歴史を紹介する看板(縦1.2㍍、横2.4㍍)も建てた。事業費は902万円。
金子ゆかり市長は「歩いて楽しめるまちづくりに向け、湯煙の上がる街角であり、行き交う人の憩いの場として多くの市民に集ってほしい」とあいさつ。手長神社の前島正宮司は、1756(宝暦6)年の文献に登場する精進湯が「日夜浴(ゆあみ)る者たえず」と紹介されていることに触れ、「(当時のように)昼夜人の絶えないにぎやかなまちになることを願う」と述べた。
除幕に続き、金子市長が通湯セレモニーを行い、参列者らは「温かいね」と湯の感触を楽しんだ。
(写真は、完成したお手湯に手を浸す除幕式の参列者)