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登山者「見守り」の新戦力に〜北八ケ岳で位置情報端末の実証実験〜

2020年2月24日

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スワリカブランド創造事業
 産学公連携「スワリカブランド」創造事業で23日、スノーシュー体験ツアーが北八ケ岳ロープウェイ周辺で行われた。PRを兼ねた実証実験で、少ない消費電力で広いエリアに通信できる技術「LPWA」を使い、小型端末で位置情報を発信しながら約30人が林間を散策。登山者の「見守りデバイス」実用化に向けて意見や感想を交わした。
 茅野市の委託で公立諏訪東京理科大学を中心に、2020年度まで3カ年の計画で進める事業。八ケ岳などに多くの観光客が訪れる地域であることから、安全な登山の実現をテーマの一つに掲げ、地元企業と連携して研究に取り組んでいる。
 貸し出された端末は、縦約7センチ、横約5センチ、厚さ約2センチの大きさで、位置情報などをLPWAで送信することができる。現在地や軌跡はパソコンやスマートフォンのアプリケーション上で確認でき、遭難した際に迅速な救助に役立つという。
 茅野署山岳遭難救助隊や登山ガイド、一般ユーザーを想定した親子らが参加。北八ケ岳ロープウェイ山頂駅から五辻を経て、山麓駅までの約7キロの雪道を歩いた。午後は蓼科湖畔のロッジに会場を移し、体験を基にしたワークショップで新しいアイデアを練った。
 今後は受信機の設置環境やバッテリーの持ち時間などが課題になるといい、理科大の小林誠司特任教授は「山を登るときには、端末を持っていくということが当たり前になるように、文化を変えていきたい」と話した。
(写真は、1枚目が発信器を身に着けて歩く参加者たち、2枚目が位置情報などを発信するデバイス)