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「世の中」3年連続三分五厘 諏訪大社下社春宮で筒粥神事

2020年1月16日

筒粥リベンジ200115
 諏訪大社の筒粥(つつがゆ)神事が、14日夜から15日朝にかけて下諏訪町の下社春宮で執り行われ、ことしの農作物の豊凶と世相を占った。「世の中」は五分満点で「三分五厘」の神託。3年連続で同じだったが、大社では「昨年よりは少し落ちると出た。注意が必要」としている。
 43種の農作物名と「世の中」を記したヨシの茎計44本を束ねた「御束」を、白米と小豆、水が入った釜で一晩中炊き上げ、茎の中に入った粥の量などで農作物の出来と世相を占う。
 14日夜、北島和孝宮司ら神職が広さ1坪(約3・3平方㍍)ほどの筒粥殿に入り、木の棒を両手でもむ「切り火」で火を起こして釜をかけ、時折かき混ぜながら大祓詞(おおはらいし)を繰り返し唱えた。
 氷点下2度で冷え込みが緩んだ15日早朝、町内大総代らが参列して神事を行い、神職が拝殿でヨシの茎を1本ずつ割り、粥の状態を見て、農作物の作況と世相の神託を発表した。
 農作物は「上」が16(昨年14)、「中」が21(同24)、「下」が6(同5)で、上と下が増えた。「上の上」は夏蚕(なつご)、秋蚕(あきご)、漬菜の三つで、昨年より1種減。ことしも「下の下」はなかった。
 原弘昌権宮司は「世の中は昨年より一厘くらい落ちる感じだったが、新しい御代を迎え、穏やかな年明けとなったので、安静な一年が送れれば」と期待して三分五厘にした。「(粥の入り方に)ばらつきがあって、特に秋の果物類や野菜に注意が必要。災害に気を付ければ、いい実りが頂ける」と話した。
 神託が書かれた目録は参拝者に配布され、大切そうに持ち帰る姿が見られた。参列した町内大総代は「まあまあいいご神託だった。昨年は台風の大きな被害があったので、ことしは災害のない一年になってほしい」と願っていた。
(写真は、筒粥殿で大祓詞を唱えながら釜を囲む神職)