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「アーク諏訪」核店舗「ツルヤ」開店

2019年2月22日

ツルヤ開店
 JR上諏訪駅東口に完成した商業ビル「アーク諏訪」の1階に、核店舗となる食品スーパー「ツルヤ上諏訪店」が21日、オープンした。開店前には約500人(同店発表)が列をつくる盛況ぶり。まるみつ百貨店の閉店から8年ぶりに復活した駅前の買い物拠点に、地元客から歓迎の声が上がった。
 諏訪地域では初の出店となる上諏訪店は、約2350平方メートルの売り場で食料品など約8千品を取り扱う。同社の店舗としては標準的な規模で、1日平均2千人の利用客を目標に掲げる。
 開店セレモニーで金子ゆかり市長は「ツルヤの開店を契機に、にぎわいが戻ってくると大いに期待している」と歓迎。ツルヤ(小諸市)の掛川健三社長は「お客さまがまた来たいというお店を目指し、諏訪地域の皆さんと共に、大きく成長したい」と述べ、アーク諏訪を手掛けた民間の「諏訪駅前開発」の井口恒雄社長らとテープカットをした。
 入店を待つ客の列は一時、国道20号付近まで達した。午前9時に入り口のドアが開くと、胸を弾ませた客が次々に入店。この日は開店セールがあり、袋いっぱいに特売品を詰め込んだ客や、ゆっくりと買い物を楽しむ客で店内はにぎわった。
 地元の大和地区から歩いて来店した女性(73)は「まるみつが閉店してから買い物に苦労していたので、この日を待ちに待っていた。あの頃のにぎわいが戻ってきたようで、うれしい」と笑顔。同地区の男性(72)は「ここで長く営業してもらえるよう、この店を皆で育てていくことが大事」と話した。
 ツルヤ上諏訪店の開店に合わせ、2階ではドラッグストアなど四つのテナントもオープンした。2階には今後、5月のグランドオープンまでに美容室やクリニック、飲食店などが開業予定。最終的に計10テナントを擁し「一通りのことができる商業施設」としての機能を充実させる。
 この日オープンしたのは、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、100円ショップ「ワッツ」、補聴器専門店など4施設。マツモトキヨシとワッツは、いずれも国道側に店を構えた。午前10時の開店前になると、マツモトキヨシには主に主婦層が並び、ワッツには特編授業期間で朝のみ登校した高校生など、若い人の姿が目立った。
 アーク諏訪ではこのほか、3階に放送大学長野学習センターと、諏訪市の公共スペース「駅前交流テラスすわっチャオ」が順次開所する予定。すわっチャオは、用途に合わせて広さを変えられる会議室や、バンド・ダンスの練習室、未就学児の親子を対象にしたキッズスペースなど、多世代が多目的に利用できる機能を整備する。
 アーク諏訪がいよいよプレオープンを迎え、駅周辺の買い物の利便性向上と、にぎわい創出に期待が集まる。
 駅前の本町2丁目上諏訪駅前通り商業会(宮坂友子会長)では、アーク諏訪内の店舗のレシートを提示すると特別サービスを受けられるイベントを企画し、にぎわいを後押ししている。
 宮坂会長は「駅前に何もない状況が長く続いていたので、まちにとっては明るい話題。商業会も連携して、良い場所にしていきたい」と話した。
(写真は、テープカットする関係者たち)