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霧ケ峰と入笠山 日本山岳遺産に認定

2018年2月28日

日本山岳遺産

 日本山岳遺産基金(東京都千代田区)は、霧ケ峰と入笠山を新たに「日本山岳遺産」に認定した。それぞれの山で自然保護活動に取り組む「霧ケ峰草原再生協議会」と「入笠ボランティア協会」に助成金を支給するなどして支援する。認定式は25日に都内で開催された「日本山岳遺産サミット」の席上で行われた。
 同基金は、日本の山々が持つ豊かな自然・文化を次世代に継承していくため、山岳雑誌を発行する「山と渓谷社」(東京都千代田区)が、2010年に設立。▽次世代育成▽山岳環境保全▽安全登山啓発—の三つのテーマで活動を展開している。
 本年度の認定地募集には、全国各地で活動を続けている8団体から申請があり、アルピニストの野口健さんら4人のアドバイザリーボードの助言の下、審査を行い、過去最多の6カ所(山)を認定した。
 霧ケ峰草原再生協議会は、14年度から活動に取り組み、草原の森林化や鹿の食害などによる草原植生の変化、湿原の乾燥化、外来植物の繁殖などの課題を抱える中、希少な植物や生態系の維持・復元に努めていることが評価された。
 入笠ボランティア協会は、03年から活動を続けている。活動が長期間継続されていることに加え、スポーツ少年団や子ども会など、地域の子どもたちを巻き込んだ取り組みを実践していることが評価された。
 本年度分を含め、日本山岳遺産の認定地は全国26カ所になった。県内ではこれまでに大町市の西にある「鍬ノ峰」、中央アルプス南西部に位置する「南木曽岳」、松本市安曇の「徳本峠」の3カ所が認定されている。
 日本山岳遺産サミットは8回目。特別講演も行われた。(写真は、諏訪市郊外の霧ケ峰高原にある強清水湿地で特定外来生物「オオハンゴンソウ」駆除作業に取り組む霧ケ峰草原再生協議会のメンバー=昨年7月)