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「シルクうなぎ」宇宙食に まず気球で成層圏へ

2021年7月4日

HP宇宙うなぎ
 岡谷うなぎを宇宙へー。岡谷市川岸東5のうなぎ料理店「観光荘」が、自社開発の「シルクうなぎ」の宇宙食を開発するプロジェクトを立ち上げた。新型コロナウイルス感染症のまん延で一時は諦めかけたが、1月に参加した「宇宙日本食意見交換会」で2023年ころに国際宇宙ステーションに長期滞在する予定の宇宙飛行士、古川聡さんが宇宙で食べたいものについて偶然にも「うなぎのかば焼き」と答えたことで奮起。第1弾として、7日(水)に福島県南相馬沖からうな重を気球に載せて打ち上げ、まずは地上30キロの成層圏への到達を目指す。
 切っ掛けは19年、宮澤健社長(44) が岡谷市出身で自転車で世界一周を遂げた小口良平さんから南極、更には月面走破を目指す夢の話を聞いて刺激を受けたこと。JAXAの認証を受けた宇宙日本食は大手メーカーばかりの中、地方飲食店でもできるか問い合わせ、「条件を満たせば可能」との回答を得てうなぎのかば焼きを宇宙に届ける決意をした。
 社内に宇宙食作りに必要なレトルト殺菌設備はなかったが、既に宇宙日本食認証を受けている食品メーカー宝食品(香川県)を紹介してもらい、協力を得た。観光荘の工場内でかば焼きを氷点下?度で冷凍、真空パックにして宝食品でレトルト殺菌する。現在は一次認証審査の結果を待っている状況という。
 今後は来年にもスタートする民間宇宙旅行の宇宙旅行食を目指し、最終的には宇宙日本食として23 年に古川さんが滞在する国際宇宙ステーションへの搭載を目標に掲げる。
(かば焼きを入れて7日に成層圏へ打ち上げる重箱と宮澤社長=観光荘提供)