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「凍り餅」の味伝えたい 辰野町沢底

2021年12月27日

沢底で凍り餅作り始まるネット
 辰野町沢底の入村ふれあいセンターで26日、冬の寒さを利用した「凍り餅」作りが始まった。地元産のもち米「白毛もち」を使い、住民がふかしてつき、切り分けるなどの作業を分担。春先まで寒風や日差しにさらし仕上げていく。
 かつて多くの家で作られた味を伝えようと、住民有志の「さわそこ里山資源を活用する会」が始め十数年。重さ約65グラムにそろえた角餅を和紙で包み、わらで14個を連ねて1連に。水に3晩、浸した後、氷点下の日に軒下へつるし、凍って解けてを繰り返し乾燥させる。
 初日は会員約10人が13キロ分の餅を準備し、均一の厚さに延ばしたり、手際よくわらで連ねたり。暖冬傾向の近年だが、一段と厳しくなる寒さに期待。凍り餅は地元の福寿草祭りで販売し、昼食会などで味わうという。
 「始めたころは作る人も多く、教えてもらい、覚えたからこそ今につながっている」と事務局の有賀茂人さん(71)。住民や地元の小学生にも声を掛け、来月中旬までの計6回で90キロ分を作る予定で「時代も流れているが、昔懐かしい味を残していきたい」と話した。
(写真は、ついた餅を厚さ1.5センチに延ばし、切り分ける会員たち)