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下社注連掛を改修~諏訪大社が竣工祭~

2021年9月9日

210908注連掛改修②
 諏訪大社は、2022(令和4)年の諏訪大社御柱祭を前に下社の境内地、注連掛(しめかけ)を改修した。下社御柱祭山出しの曳きつけと、里曳きの曳き出し地点となる場所で、曳き上げ口道幅の拡張、トイレ改修、常設階段の設置などを実施。8日、同所で竣工(しゅんこう)祭が開かれ、参列した約30人が完成を祝った。
 同所では、曳き出し口が削られ注連掛祭の祭場が狭くなっていたほか、多くの人が訪れる大祭で安全に氏子らが移動できるようにするなど対策の必要性があったという。19年3月、大総代でつくる「下社三地区連絡会議」と大社が改修内容の検討を始め、地権者に土地を譲ってもらい昨年10月に起工した。
 これまで、幅3.5㍍で曳きつけが大変だったという曳き上げ口は、7.5㍍に拡張。くみ取り式で、故障により撤去が必要だったというトイレは、水洗式で男女別の常設にし、延べ床面積24.84平方㍍。16(平成28)年の前回は氏子が上り下りをするために仮設の階段が用意されたが、今回の改修で常設にしたほか、曳き出し口近くの祭場は盛り土で面積を確保した。
 中山道を歩く観光需要が高まっていることや、同所が災害時の一時招集場所となっていることなどから、下諏訪観光協会が協力し、改修費用を一部負担した。トイレは4〜11月の利用として観光客向けにも開放するほか、中山道を歩く人向けの案内看板、街路灯も設置した。今後、トイレや看板、街路灯の日常的な維持管理は町が行う。
 北島和孝宮司は「本番で使うたびに氏子に声を上げてもらい、直すことで完成する。集いの場や災害時の避難など、氏子や観光客、町民に自由に使ってもらいたい」と話した。
 竣工祭には神職のほか、大総代や全10区長らが参列。宮坂徹町長は「トイレの維持管理に協力し、祭事をはじめ、中山道を歩く人に利用してもらい、町が更に活性化することを祈願する」とあいさつした。 
(写真は、改修したトイレと竣工祭の様子)