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秋一元綱の稲作り 四王藁の会が田植え

2021年6月1日

210530藁の会田植え
 2022(令和4)年諏訪大社下社御柱祭に向け、下諏訪町四王地区の有志でつくる「四王藁(わら)の会」は30日、西四王の水田で田植えをした。秋宮一の元綱、女綱の材料となる稲わらを育てる取り組み。約30人が集い、状態が良い稲が育つよう願いを込めた。
 同会によると、かつて御柱の綱は農家から提供された。同地区の稲わらに定評があったため、昭和20年代から第三区の委託で同地区が女綱作りを担当。農家の減少や米の品種改良などで、元綱向きの稲わら入手が困難になり、外部から調達したこともあった。
 同会は08年、自前の稲わらで綱作りをしようと発足。果樹園だった約700平方㍍を水田に変え、10(平成22)年の御柱祭から奉仕する。品種は、150〜60㌢ほどに伸びるという「関取」。供給が少ないため、毎年水田の一画で育て種を取っているという。
 来年の御柱祭に向けては、昨年から水田一帯を使って本格的な栽培を開始。約30㍍の綱作りには2000束以上の稲わらが必要で、昨年の収穫は775束。ことしは、個人の水田の一部も借りた、計1000平方㍍ほどで約1500束分を収穫する見込み。
 田植えは主に機械で行い、機械が入らない部分は手作業で植えた。昨年に続き、町の「地域の活力創生チャレンジ事業」の採択を受けて子どもたちへの伝承を試みるが、新型コロナウイルス感染対策で田植えの共同作業はできなかった。感染状況を見て、稲刈りや脱穀などで参加してもらう。
 小口文一会長(68)は「御柱祭がどんな状況で開かれるか分からないが、会員みんなで思いを込めて育てたい。精いっぱい、状態の良い稲わらを作りたい」と話した。
 収穫は10月中旬ごろの見込み。来年3月、稲わらを使った綱打ちを予定しているという。
(写真は、良い綱が打てるよう、願いを込めて苗を植える会員)