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寒波で作業順調に 市内で寒天製造が最盛期

2021年1月21日

HP210120寒天最盛期
 全国一の生産量を誇る茅野市特産の寒天製造が最盛期を迎えている。今季は寒波も度々あるなど天候に恵まれ、寒天作りに最適なコンディション。工場は連日フル稼働し、宮川地区を中心に寒天の天日干し風景が広がる。
 諏訪地方の厳しい冷え込みと晴天率を利用した天然寒天作り。寒天は原料となるテングサなどの海藻を煮溶かしてろ過し、ゼリー状に固めた「生天」を長方形に切断してわらを敷いた干し場に並べる。昼夜屋外にさらして凍結と乾燥を繰り返しながら2週間ほどかけて作る。
 五味喜一商店(宮川茅野)では、12月3日朝から天出しを始めた。昨冬は暖冬の影響で思うように寒天が凍らず完成までに時間がかかったが、今冬は毎朝氷点下5度ほどまで冷え込むため、製造は例年並みに。年末年始を除き毎日稼働していて、「大寒」の?日は今冬最低気温氷点下?度の中で作業した。
 昨冬は製造量が少なかった一方、新型コロナウイルス感染症の影響で需要と供給は均衡が取れたという。今冬はコロナ禍で作業員も地元中心にするなど安全対策を徹底。今後2月中旬まで約?日ほど稼働し、1日に約1万5千本、シーズンで約100~120万本を目指して製造、全国へ出荷する。
 寒天製造29季目の五味昌彦さん(62) は「コロナの影響がどれほどあるか分からないが、今後ボディーブローのように効いてくるだろう」と懸念。寒天の日PRイベントが中止となったことも残念がりながら「天然の寒天は食物繊維が豊富で整腸効果があり、うまみ成分たっぷりで健康に良い食品。食べ方、使い方はいろいろあるのでこの機会に見直す切っ掛けになれば」と期待していた。
(写真は、市内の五味喜一商店。今冬は寒さも厳しく順調に寒天製造が進む)