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AR・VRで神宮寺再現へ 新たな発信手法に期待

2020年11月20日

HPAR報告会③201118
 公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科、三代沢正教授の研究室が取り組む、明治初期の廃仏毀釈(きしゃく)で姿を消した諏訪市神宮寺の神宮寺伽藍(がらん)や門前町の街並みを再現するVR(仮想現実)とAR(拡張現実)の報告会が18日、桔梗屋で開かれた。一帯の地域振興、観光振興を目指す「上社周辺まちづくり協議会」(小島実会長)の要請で開発を進めているもので、協議会関係者ら約10人が、再現された江戸から明治にかけての景色を体験、一帯の歴史を紹介する新たな手法に期待を寄せた。
  新時代の技術を活用した、仮想の街並み再現の取り組みは3年目を迎える。協議会の事務局を務める内堀法孝さんが同大客員研究員である縁から、三代沢教授に打診した。ことしはタブレット端末にも対応するARアプリケーションシステム開発や、普賢堂と五重塔を含む街並みの再現をVRで行った。VRの普賢堂と五重塔は明治初期の図面から3DCG化し、内部にも入ることができる。
 報告会では、同大の4年生、友廣大地さん(22)=岡谷市片間町=がVR、赤田星成さん(22)=宮城県登米市出身=がARをそれぞれ発表。参加者もHMD(ヘッド・マウント・ディスプレー)を装着してVRを体験したり、実際に普賢堂などがあった現地へ赴き、タブレットに映し出される現実の風景の中にそびえる五重塔などの映像を見たりして、感嘆の声を上げていた。
 参加した仏法紹隆寺の岩崎宥全住職は「廃仏毀釈で各寺に分散した仏像を、仮想の世界では元に戻すこともできる。仏が再現されれば、お参りもできそう」と感想を述べていた。
小島会長は「古いものを掘り起こすことが協議会の活動。今の先端技術で、神宮寺が掘り起こせたらうれしい」と、今後の進展に期待した。
 神宮寺は神仏習合の時代、諏訪大社上社に付属した寺院だった。空海の創建とされ、大坊(神宮寺)、上ノ坊(如法院)、下ノ坊(蓮池院)、宮寺に準じる法華寺の4カ寺と多くの坊があった。現在「神苑」と呼ばれる場所には、伊那の知久氏が建立した普賢堂、五重塔などが並んでいたが、明治以降の廃仏毀釈で法華寺を除き、全てが取り壊された。
(写真は、ARを活用して現地に出現する五重塔)