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戦前のすごろく展示 辰野町内男性が所有

2020年3月24日

景気回復双六展示ネット
 辰野町地域活性化センター「信州フューチャーセンター」に、1937(昭和12)年に町内で配られた「景気回復雙六(すごろく)」が展示されている。JR辰野駅前に軒を連ねた商店などが「上がり」までの36の升目を埋め、当時のにぎわいを想像して楽しめる。
 羽場の男性(82)が、十数年前まで通っていた習字教室の仲間から譲り受けた。珍しさと自身の生まれた年と同じだったことに縁を感じ、その後は自宅で保管。先月同センターで「昔のたつの写真展」が開かれると聞き、懐かしく思い出して持ち込んだ。
 すごろくは縦55センチ、横75センチほどでカラー刷りのコピー品。1月3日の日付と南信時事新聞付録と記され、和装や洋装の女性、子どものイラストで呉服店、写真館、精肉店、料亭などを紹介。旅館が幾つも立ち並んだ戦前の盛況ぶりがうかがえ、現在も数店が残る。
 初売りの広告で作られ、太平洋戦争直前の不安定な経済に景気回復を願ったとも推測される(辰野美術館)。「初売りの日は早朝に花火が上がり、おふくろたちが夢中で買いに行った」と男性。「懐かしいものがあったので見てもらえれば」と話している。
 同センターで開催中の写真展に合わせ、31日(火)まで。午前10時〜午後4時。日月曜日と祝日は休み。
(写真は、昭和初期の世相を反映した「景気回復雙六」)