NEWS

諏訪市の小林圭さん 仏ミシュラン三つ星獲得

2020年1月29日

三つ星①200128
 星の数でレストランを格付けするフランスの「ミシュランガイド」で、諏訪市出身のシェフ小林圭さん(42)がパリで経営するレストラン「Kei(けい)」が、日本人で初めて最高位の三つ星を獲得したことを受け、28日、下諏訪町御田町で「ダイシメ惣菜店」を営む圭さんの両親、小林秀俊さんと範子さん夫婦が、取材に応じた。「周りに恵まれてきたと思う。本当にうれしい」と、誇らしげに喜びを語った。
 現地で発表式典が終わった同日午前6時過ぎに本人から電話で連絡を受けたという2人。「三つ星が取れた」と語る圭さんに、「おめでとう。本当に良かった。これからもしっかり頑張れ」と声を掛けたという。タブレットには発表式典の様子を捉えた動画も届いた。
 圭さんは毎年4月と8月に、妻の知加子さんと6歳の息子の家族3人で帰省するのが恒例。昨年8月に帰省した際には、「日本人には難しいかもしれないが、(三つ星を)取りたいと思っている」と話していたという。
 圭さんは高校を中退後、茅野市のホテルや東京のレストランでフレンチの料理人として働いた後、21歳の時に渡仏。有名なシェフ、アラン・デュカスの下で修業を積み、2011年に、パリに「Kei」をオープン。翌年に一つ星、17年に二つ星に昇格した。
 幼少期は気が強く、少年野球に打ち込むなど、「一本気の性格」。和菓子を製造していた祖父や、父親の背中を見て育ち、料理人になると決めてからは、努力を惜しまなかったという。2人もそう簡単には三つ星を取れないと思っていたが、「決めたことに集中する性格が、いい方向に出た」と笑顔を見せる。
 4月には帰省する予定で、秀俊さんは「おめでとうと抱きしめたい」、範子さんは「朝から晩までの仕事で、働く人の国籍も違う。健康だけには気を付けて、休むときはしっかりと休んで、仕事に向き合っていってほしい」と話していた。
 ダイシメは、手作りの煮物や揚げ物、ボリュームのある弁当が、地域の人気を集めている総菜店。この日、2人は、朝からニュースを聞いて電話をくれる知人や、祝福にダイシメに訪れる人の対応に追われた。
 週1回弁当を買いに訪れるという常連の女性(28)は「圭さんの料理は食べたことがないが、ニュースを聞いた時はうれしくてご両親の顔が浮かんだ」と喜び、「総菜は実家のように温かくておいしい。ご両親の人柄があるからこそ、みんな自分のことのように喜んでいるのだと思う」と話していた。
(写真は、届いた発表式典の動画を見て喜ぶ圭さんの両親)