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ララオカヤ廃止の方針 区分所有の権利を市が取得、解体へ

2019年9月18日

190917ララオカヤに廃止方針
 岡谷市は17日の市議会全員協議会に、JR岡谷駅前の商業ビル「ララオカヤ」を2021年度に廃止、解体に着手する方針を示した。背景には老朽化が進む施設の長寿命化を図ったとしても投資に見合う効果は見込めず、年間で6千万円にも上る維持費がある。市を除く26人が区分所有する権利を市が取得し、解体する意向を権利者でつくる組合員全員に伝え、今月11日に同意を得たという。市は今後、権利買い取りへの不動産鑑定など調査業務の必要経費の予算化を目指す。
 ララオカヤは、市が約47億円をかけたJR岡谷駅前の再開発事業で、周辺道路などの整備と合わせて1984年に建設。開店と同時に出店した核店舗のイトーヨーカドー岡谷店が2001年3月に撤退し、床面積の約9割を所有する諏訪バスが同年9月にリニューアルした。07年までに、市が1億8057万円かけて同社などから所有する床を取得した。
 建物は商業棟とマンション棟で構成し、屋上付きの鉄筋コンクリート造6階建て。敷地は7188平方メートルで、延べ床面積は2万639平方メートル。約9割を市が持つ。市によると現在は飲食、小売、事務所など26店舗があり、うち9店舗が権利者の所有。17店舗は権利者と市が貸し出す。マンション部分は9戸で3戸が権利者、3戸が賃貸で使う。
 15、16年には再々開発へコンサルタントによる調査検討をしたが、建設単価の高騰による床価格の上昇などで事業採算性のリスクが高く困難とされた。1階部分はほぼ利用されているものの、2階は市のイベントなど以外では空きが多く、3階は信州大学の諏訪圏サテライトキャンパスがあるのみ。
 17年には、権利者でつくるララオカヤ管理組合の総会で市が再々整備が困難なことを報告し、権利者への聞き取りを開始。18年に市が権利を取得し、解体着工の期日は国の起債が活用できる21年度とする方針を提示した。ことし5月の総会で議案として提出し、今月3日の臨時総会で全組合員の同意を得た。
 全協で、今井竜五市長は「後利用については市民の意見を聞きながらまちづくりに反映したい」と述べた。
(写真は廃止、解体の方針が示されたララオカヤ)