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蛍の生態ジオラマに  辰野町「世界昆虫館」で展示

2019年6月7日

蛍の生態ジオラマ作るネット用
 辰野町荒神山公園内の「世界昆虫館」に、蛍の生態を紹介するジオラマが常設展示された。清流に卵を産み、羽化して乱舞するまでの営みを再現。「光る蛍を見て『きれい』なだけでなく、光るまでの大切な11カ月も知ってほしい」との思いが込められている。
 制作したのは、ボランティアで同館の標本の手入れや展示などを手掛ける自営業の男性(64)=伊那市西箕輪=。縦50センチ、横130センチの断熱材を等高線状に重ね、木工パテと合わせて草木の茂みや清流の地形を作り、川で採取した砂利や砂などを敷いた。
 カワニナを食べる幼虫は、疑似餌を加工してリアルに表現し、断熱材を削り色を付けたさなぎは、パテで作った土繭に納めた。草むらにはLEDライトでほのかに点滅させた成虫を飛ばし、成長の段階ごとに写真も付けた。
 もともと「昆虫少年」だった男性は、チョウが得意分野。第71回「辰野ほたる祭り」(15〜23日)を前に、卵や幼虫、さなぎを見る機会は少ないため視覚的に訴えようと考え、蛍について「ホタルラボ」へ通って話を聞き、先月下旬からこつこつと制作を進めてきた。
 「蛍が健全に育つには環境が大切。卵から1年かけて成虫になるまで、町やいろいろな人が努力している」と男性。「蛍を守る大切さも知ってもらえれば」と話した。
 午前9時〜午後3時。月曜休館。入館料は大人500円など。問い合わせは同館(電0266・44・2615)へ。
(写真は、蛍の一生を紹介するジオラマ。常設展示している)