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夏山の季節到来 八ケ岳開山祭

2019年6月3日

開山祭
 夏山シーズンの到来を告げる第65回八ケ岳開山祭が2日、南北八ケ岳の2会場であった。南会場は主峰・赤岳(標高2899メートル)頂上で開催。360度のパノラマで雲海広がる山頂には老若男女約400人の登山愛好者が集い、シーズンの到来を喜ぶとともに安全を祈願した。
 正午に頂上の赤嶽山神社で行われた式典では、諏訪大社の神職が神事を執り行った後、遭難事故者を追悼。最後にリコーダーのメロディーに合わせて、全員で「雪山讃歌(さんか)」を合唱した。
 式典後は頂上で記念撮影をしたり、ご飯を食べたり思い思いに過ごした。式典参加者には、「高山植物の女王」と呼ばれるコマクサと横岳がデザインされたピンバッジと同神社のお札が配られた。ことしで6度目の参加という諏訪清陵高校3年生の男性は、家族3人で登頂。「富士山も見えて楽しかった。登山に慣れてきたので、毎年開山祭には来たい」と感想を話していた。
 撮影で訪れていたプロアドベンチャーレーサーの田中陽希さん(35)は、八ケ岳に蓼科山から入山、日本三百名山のうち、赤岳が166座目になるといい「開山祭は初めて。老若男女いろいろな方が目標持って来ていて、いろいろな楽しみ方がある山だと思った」と話していた。
 開山祭は1955年から開始。毎年6月第1日曜日に行い、ちの観光まちづくり推進機構、八ケ岳観光協会、茅野山岳会が主催。ことしは北会場では残雪が多く、安全を考慮して北八ケ岳ロープウエー山頂駅で行った。茅野署によると、昨年八ケ岳で起きた山岳遭難件数(同署管内)は、同署のできた2002年以来最高の34件を記録、注意と登山届の提出を呼び掛けていた。(写真は玉串奉てんする最年少参加者家族)