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名所 再興へ水月公園で千本桜植樹祭

2018年12月3日

水月植樹
 下諏訪町は2日、千本桜植樹祭を水月公園で開いた。地域にも親しまれてきた桜の名所は、樹齢50年を超えて花付きが悪い老木が増えていて、影を潜めつつあるのが現状。再興させる足掛かりに、地域住民ら約100人が2品種の幼木計30本を園内の観月堂付近に植え、近い将来一帯が桜で彩られることを思い描いて汗を流した。
 水月の「千本桜構想」は、有志でつくる「下諏訪桜いっぱいにする会」が昨年11月に解散したのを機に、会計残金約110万円を町に寄付したことで具現化。町はその意思を継いで、地元住民らと民公協働プロジェクトを立ち上げて練ってきた。
 植樹祭はプロジェクトの取り組みの第1弾で、町制施行125周年の記念事業に位置付けて計画した。水月の花見時期を長くすることを目的に大半を占めるソメイヨシノは避けて、カンザンとエドヒガンを用意。開会式での植樹セレモニーに続いて、グループ作業に移った。
 参加者は指定された場所に高さ30㌢ほどを目安に穴を掘り、堆肥を入れて土をかぶせた。支柱を立て植樹を終えると、名前を入れた木札をくくり付けて思い出にした。
 町屋敷の黒田恵美子さん(42)は親子3人で訪れて「子どもが保育園の時に水月公園に遊びに来ていた。こういう機会は少ないと思って参加した」。娘の梨紗子さん(10)は「今でも水月公園には学校の姉妹学級で来る。きれいに咲いてほしい」と話していた。
 水月には、現在約580本の桜が植えられている。これを若木へ更新しながら千本にしようとするのが町の構想で、本年度を初年度に5カ年計画で実施する。園地に限りがあるため植樹先を近隣にも見いだしながら、年次計画を立てて進めていく方針。
 町では「かつてのにぎわいに戻し、大勢に訪れてもらい、町民にもより親しまれる公園にしていきたい」としている。
(写真は、植えた幼木の根元に水を掛ける参加者)