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「すわ大昔情報センター」諏訪市博物館にオープン

2018年5月27日

大昔情報C開所式
 諏訪市博物館に新たな機能として整備された「すわ大昔情報センター」が26日、オープンした。諏訪地域ゆかりの考古学者らの資料を中心にした研究図書2万冊余を公開し、市民をはじめ、全国の歴史愛好者、研究者にも対応する学習拠点を目指す。
 センターは旧研究室・補修工作室を改修した約150平方メートルの広さ。貴重図書約800冊を含む2万冊余を納める。図書の貸し出しや持ち出しはできず、開架図書は机、閉架図書は別室の閲覧コーナーで読むことができる。専門スタッフ1人が常駐し、案内する。
 閲覧できる主な資料は、諏訪市出身の藤森栄一さん(1911〜73年)と明治大学長を務めた岡谷市出身の戸沢充則さん(1932〜2012年)の2人の考古学者を中心にする。同じく考古学者の宮坂光昭さん、近世史を研究した浅川清栄さん、諏訪湖漁業史で知られる小林正人さんらの研究図書もそろえ、「諏訪をもっと知りたい」という人たちの自主的な学習を支援する。
 運営委託は一般社団法人大昔調査会(高見俊樹理事長)と契約を締結。同法人は講演会や講座、体験イベントなどの自主活動、自主学習サークル開設なども進めていく。
 整備事業費は約8500万円。戸沢さんの遺族から贈られた5千万円を原資にした市地域資料等保存活用基金、国の地方創生拠点整備交付金などを活用し、空調整備の更新もした。
 開所式では小島雅則市教育長が「全国各地から訪れてほしい」と経過説明の中であいさつ。戸沢さんの長男冬樹さんは「父が誇りに思ってきた諏訪の地に資料が納められたこと、公開され、活用される形で残してもらえたことがうれしい」と話し、「これからが勝負。ぜひ、育ててほしい」と期待した。
(写真は、センター内を見学する関係者)