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自転車冒険家の小口良平さん サイクルスタンド寄付活動スタート

2017年12月6日

小口良平さん

 自転車冒険家の小口良平さん(37)=岡谷市山手町=が、サイクルスタンドの普及活動に乗りだす。走りやすい環境を整えることで自転車をもっと生活の身近に感じてもらうとともに、将来的には生まれ育った諏訪地域の活性化につなげたい思いも抱く。「旅と同じでまずは行動することが大切。やりながらより良い方法で広げていけたら」と構想する。
  小口さんは自転車で世界一周を遂げた2016年10月以降、月5、6本の講演をこなす。この中で、講演会に呼んでもらった地域へその謝礼金を元手にスタンドを寄付することで、サイクリストを歓迎する雰囲気づくりにつなげたいと考えた。
 近年、人気を集めるスポーツタイプの自転車は車両自体に自立させるためのスタンドがなく、壁などに立て掛けるしかないため「店に立ち寄るのもためらってしまう」ほか、カーボン製などは重量が7キロ程度と軽いことから防犯面の心配もあるという。
 「スタンドが設置されているということは、サイクリスト歓迎の証し」と小口さん。「そうすれば設置店舗には人が増え、街にスタンドが充実してくれば、今は興味がない人たちを抱き込んで裾野を広げることにもつながる」とし、20年度から始まる予定の湖周サイクリングリロード整備にも「良い影響があるはず」と力を込める。
 製作は地域住民らと行い、完成したスタンドに愛着を持ってもらい一緒に輪を広げていきたい意向。背景には「普及には行政、民間の両輪が欠かせない。加えて住民が楽しまないと続いていかない」との思いがあり、その場所がスタンドばかりでなく空気入れ、休憩スペースなどを備えた「ステーション」へと発展することも夢見る。
 講演会の依頼や問い合わせは小口さん(電090・7732・1198)へ。
 
(写真)岡谷蚕糸博物館に設置されたサイクルスタンドと小口さん。こうした場所が増えることを願う