NEWS

タカでカラス撃退へ 湖畔で追い払い実験

2017年12月21日

1220鷹VSカラス
 冬場の日没前に特定の場所に集まる習性があり、ふん害や鳴き声に対する苦情が増加するカラス。諏訪市は19、20両日、諏訪湖畔で鷹匠(たかじょう)による追い払いを試行した。狩猟にも用いられる洋種のハリスホークを、湖岸通り沿いの電線に群がるカラスに向けて飛ばし、効果を検証した。
 市によると、カラスは夏場は家族単位で行動しているが、秋から冬にかけては単体が群れるようになるという。市はこれまでにも、カラスが多く集まる場所に天敵のフクロウの模型を置くなどして対抗してきたが、効果は薄かった。
 大阪府堺市でムクドリの追い払いに成果を上げている鷹匠、佐藤稔さん(48)ら2人に委託した。実施場所は、市農林課の事前調査でカラスが多く集まっていた湖畔の石彫公園から片倉館周辺に設定。午後4時から1時間ほど実験した。
 湖岸近くから1羽のタカが放たれると、水際に群れていたカラスが一斉に片倉館前の電線に移動。その後も石彫公園から片倉館方面に向けて複数回放ち、カラスの反応を見た。佐藤さんによると、タカを見たことがある個体は遠くへ逃げたが、若い個体はタカの近くを旋回するなどして威嚇。疑似餌を使った捕食シーンを繰り返し見せると、ホテルの屋根に居座っていたカラスは姿を消した。 
 佐藤さんは「うまくインパクトを与えられたと思う」とした一方、「カラスは頭が良い動物。ランダムな時間に反復してやらないと、効果は期待できない」とした。初日の追い払いを視察した金子ゆかり市長は「今回の効果の継続性を見ながら、対策を検証していきたい」と話した。
(写真はカラスに向けてタカを放つ佐藤さん)