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推しの一冊で勝負! 岡谷でビブリオバトル

2017年10月10日

ビブリオバトル

 ゲーム感覚を取り入れた書評合戦「全国大学ビブリオバトル」2017首都決戦地区予選会と諏訪圏高校生大会が8日、岡谷市銀座のレイクウォーク岡谷であった。学生5人、高校生4人が、それぞれにお薦めの一冊との出合いや魅力、読んで感じたことなどを観戦者にアピールした。
 ビブリオバトルは5分間でお気に入りの本を紹介し合い、最も読みたくなった「チャンプ本」を出場者、観戦者の投票で決定する。全国大学大会の本戦は12月に東京都千代田区大手町の「よみうり大手町ホール」で行い、各地の予選会を勝ち抜いた人が出場する。
 諏訪圏での地区予選会開催は、活字文化の向上へ市民新聞グループ(7紙)が信州大学サークルや笠原書店(本店・岡谷市塚間町)と共に信濃毎日新聞社、岡谷市教育委員会の後援で開催。諏訪圏高校生大会を同時開催することで一層の効果波及につなげようと計画した。
 出場者はそれぞれに小説や漫画、エッセーなどを取り上げ、内容も青春ものから戦争を取り上げたものまで多彩に紹介。1人が持ち時間を終えるごとに、観戦者を交えた2分間の討論に移り、「この本を読んだ切っ掛けは」「印象に残っている内容は」などの質問に出場者が答えた。
 投票の結果、地区予選会のチャンプ本は信州大学大学院1年の原慎太朗さん(25)=静岡県出身=が紹介した推理小説「ボトルネック」(米澤穂信、新潮社)、高校生大会は富士見高校2年の花岡裕実さん(16)=岡谷市大栄町=が取り上げた漫画「ハクメイとミコチ」(樫木祐人、KADOKAWA)に決まった。
 花岡さんは「登場する2人の小人の正反対な性格や、描かれる温かでにぎやかな日常の世界観が魅力」と話し、チャンプ本に選ばれたことについては「とても緊張し、正直選ばれるとは思わなかった。ビブリオバトルを切っ掛けに、手に取ってもらえたら」と喜んでいた。
 両大会とも、会場のレイクコートを埋める約90人が見守った。全国への出場経験があるという原さんは今後、11月下旬に開かれる長野県の代表者を決める地区決戦に進むといい、「きょうは全国と同じくらい緊張した。伝えたいことを伝えられたのでは」と話していた。
(写真は、観戦者に取り上げた本の魅力をアピールする出場者㊨)