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遊べる諏訪湖へ第一歩 「湖の驛(うみのえき)」プロジェクトで魚のつかみ取り

2017年9月25日

170924湖の驛魚のつかみどり
 諏訪地方などの企業OBでつくるボランティア団体「あってもいいな夢工場」は24日、岡谷市湊の人工なぎさで魚のつかみ取りイベントを開いた。6月から整備を続けてきた区画は、魚影を目で追えるほど澄んだ水環境に。かつての自然を取り戻し、諏訪湖で水遊びをしたい—という子どもの夢をかなえようと始まったプロジェクトは、約100人の親子連れでにぎわいを見せるなど着実な前進を感じさせ、見守る関係者にも満足そうな表情が広がった。
 一帯は諏訪湖に親しんでもらおうと県が2008年、湊小学校前からみなと保育園までの約250メートルに人工なぎさを整備。水深の違いを注意喚起するため境に置き岩をしたが、風にあおられて沖から汚泥などが岸側へ打ち寄せられ、それが再堆積していたという。
 ここで水遊びができるよう同団体が「湖の驛(うみのえき)」プロジェクトを立ち上げ、西山から流入する地下水を活用するとともに、岸側へ流れ込む湖水を少なくするための作業を6月に初実施。その後も毎週のように4、5人で石を洗っては浮き上がる汚泥や汚水をポンプでくみ出す作業を繰り返した。
 そのかいあって、約50平方メートルほどの区画は水中を泳ぐ魚の姿がはっきりと見られるほどの透明度。この日、マスや岡谷らしくウナギなどが放たれると、子どもたちは夢中で手を伸ばした。参加した男の子(9)=辰野町小野=は「諏訪湖に初めて入って気持ちが良かった」と笑顔を見せ、母親(31)は「諏訪湖は汚くて濁っているイメージだった。こういう所が増えるといい」と話した。
 プロジェクトは元々、岡谷市内の小学生が描いた「諏訪湖で水遊びをしたい」と願いが込められた1枚の絵から始まった。花岡潤代表(69)=川岸上=は「見た目にはきれいになっているかもしれないが、実態は違っている」と指摘。「まずはこの250メートル区間だけでもきれいにできるよう、今後も行政など関係機関に働き掛けたり、諏訪湖のために活動するほかの団体と連携したりしながら輪が広がっていけば」と願っていた。
 
(写真)人工なぎさで魚のつかみ取りを楽しむ子どもたち