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諏訪湖のヒシ昨夏より増 県水試が速報値繁茂面積13%

2017年9月22日

ヒシ速報値
 夏の諏訪湖に広がる「ヒシ」の繁茂面積(速報値)がことしは170ヘクタールで、諏訪湖全体(1330ヘクタール)に占める割合(密度)が13%だったことが、県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)が実施した調査で分かった。昨年の確定値に比べ、14ヘクタール、1ポイント増加した。
 調査は2005年から実施している。当初は距離計などを使っていたが、12年から精度を高めるため、GPS(全地球測位システム)を導入。ことしは7月25、26、28日に行い、船上から目視したヒシ群落の外縁位置をGPSで計測し、国土交通省国土地理院が提供しているウェブサイトの作図機能を用いて繁茂面積を求めた。
 同支場によると、ことしの発生確認日は昨年とほぼ同じ5月22日。6月中旬になって一気に広がったという。
 これまでの調査で、最もヒシが多かったのは09年で236ヘクタール。以後、1年置きに増減しながらも減少傾向にあり、4年連続で200ヘクタールを下回った。県は13年から専用の水草刈り取り船を稼働させての本格的な除去を進めている。  
 同支場の伝田郁夫支場長は「昨年より繁茂面積が増えた要因ははっきりしないが、大幅な増加ではなく、長期的には減少している。刈り取りの効果が現れていると思われる」と話している。
 今後、同支場は刈り取り状況や分布状況の解析を行い、繁茂面積の確定値は除去試験の結果などと合わせ、来年3月に予定されている諏訪湖環境改善行動会議で報告する。
 ヒシは1年生の水草で、泥の中の根から伸びて水面に葉を広げる。繁茂すると、水中への光を遮って沈水植物の成長を妨げるほか、湖底の貧酸素の原因になったり、船の運航の邪魔になったりするなど、悪影響を及ぼしている。
(写真は、諏訪湖を覆うヒシ=7月5日)