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97年前の絵はがき見つけた花岡潤さん 「上諏訪 湖上博覧会」情報求む

2019年10月17日

190909諏訪湖上博覧会情報を

 岡谷市川岸東のアイ・コーポレーション本社「LTai・懐古の館」の壁に掛かる、額装された絵はがき。「上諏訪 湖上博覧会」の文字が躍る。館主の花岡潤さん(72)によると、1922(大正11)年10月1日から1カ月間、諏訪湖で大規模に開催された博覧会を記念して発行されたとみられるが、「不思議なほど博覧会に関するほかの資料は残っていない」。花岡さんが代表を務め、諏訪湖の水辺空間を生かしたまちづくりに取り組む「あってもいいな夢工場」は、将来の湖上博覧会復活を願い情報提供に協力を呼び掛ける。
 2025年の大阪・関西万博開催が決まったことを受け、関連資料を展示しようと館内の整理を進める中で発見。「長野県上諏訪 湖上博覧会記念」と書かれた袋の中には、博覧会の会場写真が添えられた絵はがき7枚が入っていた。興味を持った花岡さんは、資料を探したり出会う人に聞いたりしたが見つけられたのは当時の様子を報じる新聞記事や、企業の記念誌に載った1文のみ。同じ絵はがきが諏訪市の薬局にあったという情報を聞いて見に行ったが、詳しいことは分からなかった。
 新聞記事には「湖上博の景気 押すな押すな」などの見出しが躍る。東京で開催された平和博覧会で、不忍池上の設置された台湾喫茶店を「龍宮館」として移設したほか、諏訪湖に架けた天竜橋(全長580メートル余り)、蚕糸、農業、美術などをテーマにした館がお目見えするなど大規模に行われたことがうかがえる。
 夢工場では、水辺空間を生かしたまちづくりの構想に湖上博覧会の開催を掲げる。花岡さんは「ここまで盛大に行われたのに、資料が出てこないのは何かあったからなのか。いずれにしても今こうして調べることが、将来の博覧会開催につながれば」と願う。
 会場は普段は無人のため、湖上博覧会の絵はがきを含む資料を見たい場合は事前に花岡さん(電090・4606・4218)へ連絡する。
(写真は、「懐古の館」にある湖上博覧会の絵はがき)