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市博物館で企画展「仏法紹隆寺」が開幕   四つの視点で歴史紹介

2019年9月18日

仏法紹隆寺展③190914 のコピー
 諏訪市博物館は、仏法紹隆寺(四賀桑原)の歴史を紹介する企画展「仏法紹隆寺—諏訪の真言道場 古刹(こさつ)の歴史—」を始めた。古くから学問と修業のために多くの僧侶が集まった同寺の収蔵品約50点を展示した。11月24日(日)まで。
 同寺は、坂上田村麻呂の開基、弘法大師空海が建立したと伝わる、諏訪地域では有数の古刹。当初は中洲神宮寺にあって慈眼寺と称し、その後、桑原の寺家地籍に移り、天正時代に現在地へ移転した。
 古くから真言道場として栄え、各地から修行僧が集まったとされ、室町時代ごろには京都の醍醐寺松橋流という法流が同寺にもたらされた。こうした中、多くの書籍も集まった。江戸時代には諏訪高島藩の歴代藩主の祈とう寺として藩との深いつながりを持ち、藩主から奉納された宝物や藩ゆかりの資料が多く残される。
 展示は▽同寺の由緒▽高島藩の祈とう寺▽廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)▽真言道場—の四つの視点から構成。県宝の「釈迦(しゃか)十六善神」(3幅)や普賢菩薩騎象像(鎌倉〜南北朝時代)をはじめ、約600巻とされる鎌倉から室町時代の大般若経(市有形文化財)の約200巻分、鎌倉時代の法華経などを見ることができる。室町時代の「十二天像」は期間中4回に分けて入れ替え、全作品を紹介する。
 入館料は一般500円、諏訪地域の小中学生は無料。期間中は関連イベントも企画する。
 問い合わせは同館(電52・7080)へ。
(写真は、展示品の一つ。県宝の普賢菩薩騎象像)