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盆休み1日延長求め区役員宅を「封鎖」 南箕輪村で伝統行事

2019年8月18日

190817田畑の「盆正月」
 南箕輪村田畑地区で16日夜から17日朝にかけ、区役員の自宅と田畑公民館を封鎖する伝統行事「盆正月」が行われた。盆休みの1日延長を要求する意味で、若者や子どもたちが4カ所を回って農機具などを積み上げ、しめ縄を飾るなどした。区役員たちは習わし通り、組長らを通じて区内に「きょうも休み」と連絡した。
 盆休みで遊び疲れた農家の若者たちが「もう1日」と求めたのが始まりで、江戸時代末ごろから行われるとされる。同様の行事は全国にもあったが、続いているのは田畑だけでは—という。有志の伝統行事を守る会が仕掛け役。会社勤めも多い今では、実際に休むわけではなく、遊び心と伝統継承の意味合いが強い。
 17日朝、松澤純一区長(69)宅には、道路に面した門に農機具などが山になっていた。一輪車や管理機(小さめの耕運機)、動力除雪機が倉庫から持ち出され、出入り口に立て掛けられた。二つ置いた脚立の間にしめ縄を飾り、中央には高さ1メートルを超える立派な門松。バケツは逆さに、傘は広げて引っ掛けられていた。持ち寄ったとみられるトウモロコシやカボチャ、ナス、キュウリなども並び、大輪が咲いたヒマワリも飾られた。
 「見事、完全にふさがれた」と笑って出てきた松澤区長は、隣家の庭を借りて表へ。「農作業などは休んで、ゆっくり休んで」などとするメールを送った。「絵になっている。よく飾った」とたたえつつも、苦笑い。「きょうはもともと休みなので、家族を動員し午前中で片付くかな。午後から役員で公民館を片付ける」と話していた。
(写真は、表に出て封鎖された門に苦笑いの松澤区長)