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「無藝荘」今季営業開始

2019年5月1日

無藝荘
昭和の時代に多くの傑作を生み出した映画監督、小津安二郎(1903〜63年)の別荘を移築・復元した記念館「無藝荘(むげいそう)」の営業が今季も始まった。大型連休中は6日(月=振替休日)まで無休で、小津ファンが映画談義に花を咲かせている。
 蓼科高原に魅了された小津監督が55年ごろから利用したかやぶき屋根の別荘で、盟友の脚本家野田高梧と共に、62年の「秋刀魚(さんま)の味」まで晩年の7作品を執筆。生誕100年を記念し、茅野市が2003年に現在の場所へ移築した。
 今季は、建物の雰囲気を生かすように展示レイアウトを一部変更。最近は、古民家ファンも足を運ぶといい、案内役の「火代番」が交代で来館者をもてなしている。
 30日に訪れた、神奈川県藤沢市の男性()は「小津作品には、自分の生まれた昭和30年代の暮らしや、美しい日本の言葉とたたずまいが映っている。平成最後の日に、ここに来ることができて良かった」と話していた。
 入館無料だが、100円の管理協力支援を呼び掛けている。11月初旬まで土日祝日を中心に営業し、7月20日(土)から9月8日(日)まで無休。時間は午前10時〜午後4時。閉館日でも、5人以上の申し込みがあれば公開する。問い合わせは蓼科観光協会(電0266・67・2222)へ。(写真はいろりを囲む来館者と「火代番」の皆さん)