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辰野町上島で「平成」石碑に

2019年3月31日

190330平成記念の石碑②ネット
 平成時代の証しを後世に—。4月1日(月)の新元号発表を前に、辰野町上島水上の石仏や石碑をよりどころにした地縁団体「駒ケ嶽講中」は30日、平成を記念する石碑を同地域に建立した。高さ約50センチ、幅約60センチで、銘は「世界平和」。16人が参加し、30年余の軌跡に思いをはせながら、来るべき新時代に希望を託した。
 駒ケ嶽講中は、山開きなど祭事を行い、平和や講員の家内安全を祈願している。関係者によると、講中の石仏や石碑のある付近には、平成時代のものがなく、建立を願う声が上がった。銘の「世界平和」は、世界各地で争いが続く現状を憂い、講員の思いが平穏で明るい希望をもたらす願いを込めた。石は地元産を活用し、地域の石材業者が加工した。
 建立場所は、かたくりマレットゴルフ場から15分ほど歩いた、駒ケ嶽講中の石仏や石碑が並ぶ一角。参加者は走行用ベルト付きの運搬車に石碑を載せて山の中へ入った。急傾斜や悪路もあり、運搬車にひもを付けて引っ張ったり、枯れ枝を撤去して車幅を確保したりなど協力して前進。設置作業を終えると、厳かに神事を執り行った。
 代表者の男性(69)は「すがすがしく、世界や地域の平和への願いを強く感じた。平成時代は災害などもあって激動だったが、より記憶にとどめるために石碑建立は意義がある。(新元号の時代は)少子高齢化になるが、地域で助け合い、互いの絆を大事にできる世の中になれば」と期待した。(写真は、「世界平和」の銘が入った石碑と駒ケ嶽講中の関係者。平成時代の記念として後世に伝わることを願った)