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昆虫食の文化と可能性探る 伊那でシンポ

2019年2月19日

昆虫食

 広がる可能性 県上伊那地域振興局は17日、「美味(おい)しい昆虫シンポジウム」を伊那市創造館で開いた。約130人が参加し、近年再び注目を集めている昆虫食の可能性や地域に根付く昆虫食文化について関心を深めた。
 上伊那のおいしい昆虫食文化を通じて地域の風土や暮らしを学び、地域資源としての可能性を考える契機になればと企画。3月には、都内のアンテナショップ「銀座NAGANO」で関連イベントを予定する。
 この日は「昆虫食の可能性」と題した講演と座談会「上伊那の昆虫食文化を考える」の2部構成。講演では県内出身で昆虫料理研究家の内山昭一さん、昆虫食のentomo(大阪府)の松井崇代表がそれぞれ話した。
 内山さんは「大正時代は55種類もの昆虫が食べられていた」などと解説し、ざざ虫や蚕、蜂の子などの食文化の歴史、調理法、栄養価について紹介。20世紀以降、日常食から遠ざかったものの、2013年のFAO(国連食糧農業機関)による報告を機に昆虫が見直されていることにも触れた。参加者は話題に参加しながら、熱心に耳を傾けていた。
 講師やパネリスト、上伊那農業高校の生徒らが用意した加工品の試食・販売もあった。(写真は、昆虫食の可能性について講演する内山さん)