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小津安二郎記念・蓼科高原映画祭開幕

2018年9月23日

映画祭HP
 蓼科高原を晩年の仕事場に据えた小津安二郎監督(1903〜63年)を顕彰する第21回「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」が22日に開幕した。初日は新星劇場で3本の上映があり、大勢の観客がスクリーンに見入った。
 オープニングで、映画祭組織委員長の柳平千代一市長は「理屈抜きに映画の楽しさ、感動を共有してもらい、小津監督がテーマに追い続けた家族を思い、監督や蓼科に思いをはせる機会にしてほしい」とあいさつした。
 最初に上映された日中合作映画「空海KU—KAI美しき王妃の謎」(2017年)には約100人が来場。埼玉県所沢市から訪れた茅野市出身の女性は「新星劇場は中学、高校時代に友人と通った思い出の場所。昨年映画祭のことを知り、40年以上ぶりに来た」と、うれしそうだった。
 映画祭では30日(日)までの9日間で21作品を上映し、監督や出演者総勢約30人を迎えてゲストトークも繰り広げる。運営するボランティアの中には高校生もいて、初日に司会を務めた男子生徒=東海大諏訪高2年=は「映画の見どころを伝えて楽しんでもらいたい」と話した。
 実行委によると、この日までにコンビニで購入された前売りチケット(1回券)は410枚で、昨年の約10倍。市内などの販売所でも例年に比べて回数券(4枚つづり)の売れ行きが好調といい、「ラインナップに話題作が多いことや、映画祭が認知されてきたことの表れではないか」としている。(写真は上映開始を楽しみに待つ観客=新星劇場)