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湖面の光に思いを託し 岡谷でとうろう流し・花火まつり

2018年8月17日

HP花火①
 岡谷市の送り盆の風物詩として親しまれる「とうろう流し」(岡谷市民新聞社主催)と、「花火まつり」(市、岡谷商工会議所、岡谷市民新聞社主催)が16日夜、釜口水門近くの諏訪湖で行われた。雨が降ったりやんだりの天気だったが、市民らが湖上を揺れるともしびで先祖を見送り、夜空の花火を見ながら行く夏を惜しんだ。
 とうろう流しは戦後間もない1951年に始まり、68回目。一般家庭や企業を中心に、諏訪、上伊那地方のほか県内外から千基余りが寄進された。花火まつりは地元の事業所や商店、団体などから寄せられた協賛金で、13プログラムの約1600発を用意。「平成を彩った花火たち」をテーマに、この30年に打ち上げた特徴ある花火を再演したほか、新作も打ち上げた。
 主催者を代表して岡谷市民新聞社の薩摩建社長は「多くの皆様のご協力で開催できることに感謝。湖面を彩る灯籠と花火に、み霊の安らかなることを祈り、お送りしたい」とあいさつ。今井竜五市長や武井富美男市議会議長、岡谷商議所の林新一郎会頭らも祝辞を寄せた。
 下浜側の湖畔公園に設けた祭壇では「流灯(るとう)の式」があり、市内14カ寺の住職の厳かな読経に合わせ、湖上の6隻から灯籠を流して浮かべた。参列者は焼香をして手を合わせ、先祖の冥福を祈った。
 花火は慰霊とともに、平成最後の夏を送る多彩な表現のスターマインを打ち上げ、音と光の競演が夜空を焦がした。
(写真は、打ち上げられた花火と湖面に揺れる灯籠)