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諏訪理大連携科目で機織り授業

2018年5月22日

理科大機織り授業
茅野市豊平、公立諏訪東京理科大学は本年度からの公立化を受け、全学科を対象とした共通・マネジメント教育領域科目として地域連携科目(選択科目)を新たに設定した。このうち「文化と芸術A」の前期授業では、1年生21人が古くから諏訪地方に伝わってきた機織りの技術を通じ、地域の文化・産業を学んでいる。
 同大学では設置目的の一つに「地域の知の拠点として文化の進展と産業の交流に寄与、地域と国の発展への貢献」を掲げる。大学と地域が連携し、世界に羽ばたくと同時に地域貢献・発展への人材育成を目指しており、地域連携科目は地域を知り、学ぶ機会となっている。
 「文化と芸術—」の授業では、手織り糸などを扱う一き糸店(諏訪市清水)代表取締役社長の高木義一朗さん(70)を非常勤講師に招き、実技を交え諏訪の機織り文化への理解を深めている。授業の中で学生たちは卓上手織り機を使った「平織りの市松」、古くからの機織り技術をベースにパソコンの表計算ソフトで経(たて)糸と緯(よこ)糸の構成を組織図(設計図)化した高木さんオリジナルの技法「八つ縄文織り」を体験。
 履修登録の際「古くからの伝統、文化に引かれた」という学生=工学部機械電気工学科=は「理系学部なのに意外な授業だが、昔のことを学ぶいい機会になっている。今はパソコンで自分の発想通りの柄ができるが、昔の人はどうやったのか、すごいというか経験値が優れていると思う」と話す。
 学生から「師匠」と慕われている高木さんは「真面目に授業を受けてくれる学生ばかりで教えがいがある。私もやっていて面白い」と述べ、諏訪地方の農村女性が引き継いできた機織り文化に対する関心の高まりを期待していた。(写真は「八つ縄文織り」を学ぶ学生たち)