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諏訪湖博物館前に大四つ手網

2018年5月15日

大四つ手
 諏訪湖博物館・赤彦記念館前の諏訪湖にことしも、大四つ手網が登場した。諏訪湖と共に暮らしてきた人々の様子を伝える同館が、伝統的な漁法を紹介し、昔ながらの景観に親しんでもらう「修景」事業として、2015年度から毎年夏場に設置している。町内で唯一の大四つ手網。11月まで懐かしい風景を演出する。
 住民の声を聞く「町長への手紙」の中に、児童生徒が伝統漁法を体験や、漁業関係者と交流する学習の場として、大四つ手網を仕掛けてほしいとする提案があったことを受けて設置を始めた。諏訪湖にせり出した桟橋の先に、名前の由来ともなった4㍍四方の大きな捕獲網が取り付けられている。
 資料によると、1947年ころに上諏訪湖畔で始まった大四つ手網が、下諏訪湖畔にも広まり、かつては流入河川の河口などでよく見られた。フナ、コイ、ナマズなどが産卵のため遡上(そじょう)してくる4〜8月が好漁期。「四つ手」に張り広げた網を湖に沈めて置き、てこの原理を利用して時々持ち上げて魚を捕獲した。
 博物館では、夏休みに合わせて大四つ手網を利用した小中学生の漁業体験会も計画しており、「諏訪湖の懐かしい風景を楽しんでほしい。危険なので、許可なく中に入らないで」と話している。
(写真は、ことしも博物館前の湖畔に登場した大四つ手網)