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ニッコウキスゲ鹿から守れ 霧ケ峰に電気柵

2018年5月17日

電気柵縦

 ニッコウキスゲの群生地をニホンジカの食害や踏み荒らしの被害から守るため、41の関係機関・団体で構成する「霧ケ峰自然環境保全協議会」は16日、車山肩と富士見台周辺で電気柵の設置作業を行った。県や諏訪市、地元の牧野農業協同組合などから約60人が参加。好天の下で約3時間にわたって作業に励んだ。
 車山肩では昨年度と同じ2・1キロにわたって電気柵を設置した。一部(0・4キロ)は観光客の写真撮影などに配慮し、丈の低い二重柵とし、残りは1・8キロの支柱を立てて電線を張った。冬期間下ろしてあった防護ネット(0・46キロ)の張り上げ作業も行った。
 本年度の電気柵の設置延長は全体(5カ所)で昨年度と同じ10・1キロ。インターチェンジ前園地や忘れじの丘、車山では既に設置を終え、この日の作業で完了した。10月ごろまで設置する。
 同協議会が電気柵を設置するようになったのは2008年度から。当初はビーナスライン沿いに直線的に設置していたが、十分な効果が得られなかったため、11年度からはニッコウキスゲの群生地を取り囲むようにした。
 県諏訪地域振興局環境課によると、群生地を取り囲むよう設置するようになってからは、ニホンジカの被害はない。花の付き具合は天候の影響で年によって差はあるが、一昨年、昨年と2年連続で花付きが良く、県内外から訪れた大勢の観光客を楽しませたという。(写真は、車山肩で電気柵の支柱を立てる関係者)