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小平選手 茅野へ凱旋(がいせん)

2018年3月26日

オープンカーの小平
 平昌冬季五輪のスピードスケートで金銀二つのメダルを獲得した小平奈緒選手(31)の凱旋(がいせん)祝賀パレードが25日、地元の茅野市内で開かれた。沿道には1万5千人(市発表)の市民や全国からのファンが駆け付け大歓声に包まれた。
 午前時から市役所前で行われた出発式で、小平選手は「たくさんの皆さんの応援のおかげで力を出し切れた。応援が温かく心の中に響いた」と感謝。柳平千代一市長から花束を受け取ってオープンカーに乗り込み、市消防団消防音楽隊と東海大諏訪高校吹奏楽部の先導で、JR茅野駅東口までの約700メートルをゆっくりと進んだ。
 沿道の市民らはお祝いのメッセージを書いたボードやうちわを手に、「奈緒ちゃん、おめでとう」「感動をありがとう」と口々に祝福。小平選手はメダルを見せながら、笑顔で手を振って声援に応えた。
 午前8時半過ぎから4歳と2歳の娘と市役所前の歩道で待っていたという米沢塩沢の女性は「小平選手と中学が一緒だったが、学年は一つ違いで接点はなかったので間近で見られてうれしかった。生で見る金メダルにも感激した」。両親と3人で金のおんべを振った玉川小3年の男子児童は「小平選手は意外と小さかった。体が小さくてもできるということを感じた。自分はバスケットをやっているので頑張りたい」と話していた。
 小平選手は平昌五輪のスピードスケート500メートルで金メダル、1000メートルで銀メダルを獲得した。市は8月1日(水)の市制施行60周年記念式典で、小平選手に「特別市民栄誉賞」を授与することにしている。
 小平選手はパレードの後、茅野市民館で後援会主催の報告会に臨み、詰め掛けた750人に応援への感謝を伝えた。
 後援会長の柳平市長は「日本選手団主将の大役も果たす中で素晴らしい活躍を見せてくれた。レース後の言動も多くの人に感動と勇気を与えた」とたたえ、報奨金を贈呈。豊平小スケートクラブの児童たちが花束を贈った。
 小平選手は「エネルギーを平昌の地に送ってもらいありがとうございました。茅野市に二つのメダルを持ち帰ることができました」と報告し、「茅野市のスケートリンクで『蛍の光』が流れるまで一生懸命滑っていたことが昨日のことのよう。今後も皆さんから力をもらい、自分らしくスケートを極めていきたい」とあいさつした。
 壇上でのディスカッションでは、山田利幸教育長が子どもたちから預かった質問をぶつけた。「帰ってきて一番食べたかったものは」と問われ、「しゃぶしゃぶが食べたかったけれど、出てきたのはタイの煮付けでした」と笑わせた小平選手。「初恋はいつですか」という質問には「スケートに恋したのが3歳」とユーモアでかわし、支えてくれた人に一番伝えたいことは「うまくいったときもいかなかったときも、小平奈緒という存在を常に認めていてくれてありがとう」と答えた。
 子どもたちへのメッセージを求められると「何か一生懸命になれることを夢中で諦めずにやってほしい。成長を自信に変え、人と比べるのではなく、今の自分を常に高めていける生活をしていって」とエールを送った。(写真はメダルを掲げ、沿道の祝福に応える小平選手)