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寒天の天出し作業始まる

2017年12月5日

寒天干し
 茅野市内に本格的な冬の到来を告げる寒天製造がことしも始まった。諏訪地方の厳しい冷え込みと晴天率を利用した天然角寒天は、全国一の生産量。県寒天水産加工業協同組合の各寒天工場でも今後、干し場に乾燥前の「生天」が並び、冬ならではの風景が徐々に広がっていく。
 このうち宮川茅野、五味喜一商店では、3日に今季初めての火入れを行い、4日朝から天出し作業を始めた。昨年より1日早いが、健康ブームに支えられ需要は増加傾向にある。このため、今冬は1日当たり1万5千本分ずつ、来年2月上旬ころまで約100万本と例年並みの出荷を目標に掲げ、例年より1週間ほど早く作業を進めているという。
 点在する干し場は合わせて約2ヘクタールある。順次寒天を広げ、2週間ほどかけて凍結、融解を繰り返しながら乾燥させ、全国に出荷していく。今季は東北地方などからの従業員16人が作業に当たるといい、初日の4日も手慣れた様子で流し箱(もろぶた)の生天を改良台に並べていた。
 同社の男性は「ありがたいことに昨年くらいから寒天ブームが再燃し、生産が追い付かないほど」とうれしい悲鳴。「ことしは従業員も増え、天候を見ながらフル稼働で作業をしていく。ことしは寒いといわれているが、このまま本格的な寒波が訪れてくれれば」と期待を寄せている。(写真は厳しい冷え込みの中、冬ならではの作業が続く寒天製造)