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ゲーム切っ掛け関心更に 橋原洩矢神社に多くのファン

2017年12月1日

HP洩矢神社がにぎわう
 諏訪信仰を題材にしたとみられるパソコンゲームを切っ掛けに、全国から参拝者が訪れるなど関心を集める岡谷市川岸東1の洩矢神社。近年では、例大祭や除蝗(じょこう)祭などの神事にも足を運ぶ人の姿が見られるという。「ゲームを入り口に、神社自体に興味を持つ人が増えてきた」。地元橋原区の神社委員長の男性(64)=川岸東=は現状をこう受け止め、「私たちが地方で神社を訪れるのと同じように、にぎやかになるのはありがたい」と歓迎する。
 境内を進むと社殿横には、全国各地の愛好者が残した絵馬がずらり。緻密なキャラクターのイラストも添えられ、本多さんは「その場で描いたとは思えない。持ち帰ってまた来たのでは」と話す。土、日には県外ナンバーの車両が駐車場に止まり、JR岡谷駅からレンタルサイクルで訪れる人もいるという。境内で写真を撮る姿も見られる。
 当初は困惑もあった。神社委によると、同社がモデルとみられる場所やキャラクターが登場したことで、10年ほど前から「聖地」としてファンの姿が見られるようになったが、仮装をする人がいたり、マナーの悪い人がいたりと区で対応できないこともあった。
 現在は神事に来る人のほか、区内に他地域から引っ越してきて区民登録し、地元になじむ人も。マナーも浸透し、鳥居に頭を下げて出入りするなど礼儀正しい人がほとんどという。信仰の歴史を質問されることもあり、本多さんは「地元の人よりも詳しい。突っ込んで聞かれると困る」と笑う。
 こうした状況を受け、昨年は神社委が同社の公式ホームページを開設。写真付きで行事の様子を紹介したり、神社の歴史についての解説を載せたりしている。同区区長(67)は「来ていただくのは非常にいいこと。外部の人の方が熱心なこともあり、地元の人にももっと足を運んでもらえれば」と願う。
(写真は、境内にずらりと並ぶは全国各地から訪れた人の絵馬。緻密なイラストが添えられ、人気の高さがうかがえる)