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徳本上人の名号 和歌山へ 貞松院寺宝を貸し出し

2017年9月29日

徳本上人名号貸し出し
 諏訪市諏訪2の貞松院(山田雄道住職)寺宝、浄土宗の僧徳本上人(1758〜1818年)の大字名号が28日、上人のふるさとである和歌山県日高町へ貸し出された。10月1日(日)の生誕200回忌イベントに、特別公開される。
 丸みを帯び、終筆が跳ね上がる”徳本文字”で「南無阿弥陀仏」と記された名号は、軸長6.8メートル、軸幅1.52メートル。上人の3幅の一つといわれ、ほかの2幅は焼失や行方が知れず、唯一同寺に現存する。昨年まで2年間は松平忠輝遺品特別公開などで披露したが、それまではほとんど公開の機会はなかった。
 日高町では3年前から、200回忌を機に上人を顕彰し、地域活性化を目指す準備を進めてきた。このため、日高おこし隊実行委員会のメンバーが北陸、中部、関東方面の名号碑調査を実施。昨年6月、市内の正願寺を訪ねた際、大字名号の存在を知り、貞松院に貸し出しを要請した。
 同日には日高町観光協会の金崎昭仁会長(59)ら2人が来訪。広げられた大字名号の状況を撮影した後、木箱に納めた。「これまでの取り組みで、町民の上人への理解は深まってきた。大字名号を展示の目玉とし、更にムードを高めたい」と力を込めた。
 山田住職(63)も「貸し出すのは初めて。縁あって上人生誕の地に帰ることになった。日高町と諏訪市の皆さんに、上人への関心が高まれば」と期待した。

(写真は、引き取りに来た金崎会長らと名号を確認する山田住職㊧)